脾臓は切除、肝臓は3分の1、胃は全部、1年後には腸の一部も!

病気を通して知った

命の有り難さを噛みしめて。

肝臓ガン・C型肝炎

福岡県大野城市在住 Y.M.さん(65才)

●脾臓は切除、肝臓は3分の1、胃は全部

 十年前に食道静脈りゅう破裂で倒れ、「もって三日でしょう」と言われたのが、私の病歴の始まりでした。それまで健康で大して病気をした覚えはありません。服飾の会社を経営し自身も店に出て服を作っていました。毎日仕事に追われていました。時々お腹がせくというのかキュウッと痛くなるので市販の胃腸薬を飲んでいました。

 いきなり血を吐いて倒れたので、初めは胃潰瘍と思われました。血止めの薬を打たれながら最初の病院に運ばれたのは覚えていますが、そのうち段々意識もなくなっていきました。血止めをしても血は流れっぱなし、輸血も大分受けたんじゃないでしょうか。幸いお医者さんの尽力のおかげで命は取り止めましたが、これは応急処置ですから三年はもちませんよという言葉通り、三年後にまた手術をうけることになりました。 すると、いつのまにか肝臓をやられていたようで、この三年間ろくに働いていなかった肝臓の代わりをしていたらしい脾臓が倍以上に肥大していて、すぐに切り取られました。肝臓も三分の一切られました。胃は全部です。一年後には腸も一部切られました。

●死の谷底にいたような思い

 平成九年十月、肝臓に何かできている十二月に入院するようにといわれました。このとき、ガンと分かっていましたから正月までは何とか家で過ごしたいと、一月五日に入院しました。私がアガリクス茸を飲み始めたのは、この十月からです。

もう、とにかく飲みました。朝昼晩どころじゃありません。一日五回でも六回でも、効くかどうかわかりませんでしたが、欠かさずお茶がわりのように飲みました。 一月に入院し一カ月集中治療室に入ったままでした。そして、二回の手術を受けてピンポン玉大のガンを二つ取ってもらいました。このときの手術が一番きつかったです。自分では死の谷底にいたような思いがします。意識はありましたが、もうろうとしていました。この手術のために一時的に糖尿病になり掛けていたようです。インシュリンの注射を三時間おきに打たれながら、「私は糖尿病じゃありませんよ」と看護婦さんにいっていたのを覚えています。

 退院してから三月までは、表にも出ずにこたつに入って、庭の大根の花を眺めてはぼんやり過ごしていました。  四月頃から少し出てみようかねえ、と庭の草をむしり始めました。歩き出したのは五月頃です。私は写真が趣味で、この頃も時々部屋の中から庭を撮っていました。何時だったか、家の建て増しのために四分の三程切り取られてしまったみかんの木から、小さな芽が芽吹いているのを見つけました。枝を切り落とされ切り刻まれてどうかなったところから芽が出ている、まるで私と一緒です。いつかこれを歌に詠んでやろうとシャッターを押しました。

●GOTとGPTがそれぞれ普通に!

七月頃、体が痩せて手も何もしわでびしゃびしゃ。このときもアガリクス茸はずっと飲んでいました。効くか効かんかは相変わらず分かりませんでしたが、とにかく飲んでいました。 十月頃から急に体が軽くなりました。元気になってきてじっとして居られないんです。 十一月、十年振りに電車に乗りました。近所の私鉄の駅はこの十年の間に自動改札になっていました。自動券売機に自動改札、一人っきりで切符を買ってがしゃんと閉まる所を通ってみたいなあというのが小さな夢でした。電車には五、六回乗りました。山に紅葉狩りにも行きました。これは私にとっては、久し振りの大冒険でした。山登りから帰っても疲れ知らずです。十二月に入ると休む間もなく東京へ出掛けました。ちょうど東京は大雪で、もこもこと着込んで世界のファッションショー、ディズニーランド、浅草と回れる限り見て回りました。 

 さてどれだけ健康になっただろうかと病院で調べてもらわないといけないのですが、早く検査に行かなあ、と思いながらここ二カ月程行っていません。この十年間、這うようにしてでも毎月通ったんですけれど。ついこの間、近くの病院で血液検査をしてもらいました。GOTとGPTがそれぞれ三十一と四十一で普通だといわれました。肝機能の一部の値を除いて何も問題はないそうです。

自分でも首をひねりたくなるくらい体調がいいです。アガリクス茸を飲む以外は、一切薬らしいものは飲んでいませんが、以前のように、利尿剤や、消化剤を飲まなくても快調です。この年になって肩凝り神経痛何もありません。体重は五十二キロあったのが三十六キロまで減りました。ウエストは六十センチになって、どの服もあわなくて。主人が心配して漢方薬の先生に聞いたところ、「痩せることはいいことよ、体質改善で新しくまた肉がつきますよ」といわれたそうです。顔色がよくなった、血色がいいといわれますし、髪も増えて抜けなくなりましたから染めることもありません。とにかく精神力、体力ともに六十五才より若くなったような気がします。

アガリクス茸はいろんなところに効いていると思います。お腹だけじゃないですよ。

 私はアガリクス茸は内臓をよくするための薬とは思っていません。薬ではなくあくまで「お茶がわり」ですから、のどが渇いたから飲む、そういうものです。           

 アガリクス茸を飲み始めて、二年が経ちました。現在仕事にも復帰しました。毎日庭の花を見ては写真を撮りそれを歌に詠んでやろう、今度はぜひニューヨークまで出掛けてやろうとそんなことばかり考えて、病気のことを考えるひまもありません。十年振りに味わう健康、病気を通して知った命の有り難さをかみしめながら日々の生活を満喫しています。

平成11年2月

出所: http://www.csf.ne.jp